ピアノの歴史も知りたいな…
世界三大ピアノについても理解を深めたい!
進化の歴史を辿っていくと、そのルーツがよく分かるよ!
ピアノを語るのに欠かせない世界三大ピアノもご紹介するね。
◆ ピアノの歴史
◆ 世界三大ピアノについて
ピアノってどういう成り立ちがあって今に至るのか、案外知らない方も多いのではないでしょうか。
どういう進化を遂げてきたのか、どういう人たちのストーリーがあるのか、
それぞれまとめたものを、ご紹介します。
ピアノの起源
出典:YAMAHA
ピアノの音を出す仕組みは、ここからきています。歴史は11世紀から。
最古のチェンバロのことです。
この辺りからピアノっぽくなってきますね。
ここまでが古楽器と呼ばれるものです。バッハの響きがよく合いますね!
これらを経て、現代のピアノの形が出来上がっていきます。
元々はチェンバロの強弱付けづらさに不満を持ったクリストフォリの想いが、スタートでした。
ピアノの歴史
1700年頃:クリストフォリがハンマー式打弦を開発します。これがピアノの元祖です。
1747年:クリストフォリの意思を受け継いだジルバーマン作のピアノを、バッハが王の前で演奏します。
18世紀:シュタインがさらに改良。ドイツ式(ウィーン式)というアクションを開発。モーツァルトはシュタイン製のピアノを愛用していました。
1780年頃:ツンぺの発明したイギリス式をブロードウッドが改良。ベートーヴェンはブロードウッド製のピアノを愛用していました。
19世紀:フランス革命以降、貴族→大衆へ広まり、演奏ホールも徐々に大規模なものへ。
19世紀:フランスのピエール・エラールによって素早い連打を可能にする画期的なアクションが開発されます。家庭用のアップライトもこの頃。
19世紀中盤:今まで61鍵主流だったものが、ショパン、リストの時代には82鍵が主流に。ほぼ完成。
第一次世界大戦後:現在の88鍵に。音量、音質、音域ともにどんどんとハイクオリティに。
日本では20世紀に入ってからヤマハが日本初のピアノを生産。1921年にカワイがその後を続いていきます。
では世界三大ピアノと呼ばれるところは、どういう歴史を辿ってきたのか見てみましょう。
世界三大ピアノの歴史
- スタインウェイ & サンズ
- ベーゼンドルファー
- ベヒシュタイン
歴史の変遷の中で、この3大メーカーがどのようにして現在に至るのか、1つずつご紹介していきます。
スタインウェイ & サンズ
創業者のハインリヒ・エンゲルハート・スタインウェイはドイツの小さな村で生まれました。
最初は教会用のオルガン作りからキャリアをはじめ、自宅の台所でピアノを作っていました。台所でピアノって作れるんですね…
その後約500台のピアノを生産するものの、ドイツの政情悪化に伴いアメリカへ移住。1853年にスタインウェイ & サンズを設立します。
三男が現代の「スタインウェイ・システム」と呼ばれる現代ピアノの模範となるものを開発。
長男が45もの特許を取得。1900年頃に現代のグランドピアノの形を完成させます。
経営センスに優れた四男が初代社長に就任。スタインウェイホールを設立し、ピアニストのツアーマネジメントに成功し、スタインウェイを有名にします。
戦争や世界的な流行の変化により、一時は生産中断に追い込まれますが、ホロヴィッツをはじめ天才ピアニストたちがスタインウェイと共に活躍することで、一気にブランド化していきました。
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ベーゼンドルファー
創業者のイグナッツ・ベーゼンドルファーは1828年にオーストリアのウィーンでベーゼンドルファーを設立しました。
彼もスタインウェイと同じく、オルガン職人からピアノ職人になっています。
さて、今まで激しく強靭なタッチで数々のピアノを再起不能にしてきた破壊神のようなリストですが、ベーゼンドルファー製のピアノか彼の演奏に耐え切り、演奏会が大成功したことがきっかけで、
リストの名声とともにベーゼンドルファーの名声も轟いていくことになります。
ベーゼンドルファーが支持される理由は、「ウィンナートーン」と呼ばれる美しい音色、柔軟なデザイン性、そしてフルハンドメイドなところです。
累計生産台数は50,000台、現在年間生産台数はわずか300台と圧倒的に少なく、なんとヤマハの100分の1、スタインウェイの10分の1です。
樹齢約90年の大木を伐採、含水率の調整のために5〜6年費やし、そこから完成まで約62週間。さらに調律などの最終調整に8週間。
途方もない期間ですよね。世界中の人々から愛され、憧れの的になるのも納得です。
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ベヒシュタイン
創業者のカール・ベヒシュタインは1853年にドイツのベルリンでベヒシュタインを設立しました。
なんとスタインウェイト同じ年ですね。ちなみベヒシュタインはオルガン職人ではありませんでした。
時はロマン派全盛期。「タフな演奏」と「きめ細やかな演奏」の両方を求められる激しい時代です。
この時代を経て磨かれたベヒシュタインは、ピアノのストラディヴァリウスと呼ばれるほど、美しい音色を持つことが特徴のメーカーになりました。
その洗練性は圧倒的な支持を受け、名だたる作曲家(リストはベヒシュタインも好きでした)、コンサートホールの舞台、
王侯貴族の館、音楽学校を占拠する程。輸出量も拡大していきます。
しかし第二次世界大戦後、ドイツは敗戦国となり、ベヒシュタインの工場も崩壊。アメリカ人に経営権がわたり、ブランドイメージも薄らいでいきました。
ですがその圧倒的な洗練性を音楽家は忘れることなく、ベヒシュタインのピアノを望み続けました。
その後ドイツ人のカール・シュルツによって経営権がドイツに戻り、それがきっかけでV字復活を成し遂げるのです。
悩んでる人 世界三大ピアノのひとつって言われている、 ベヒシュタインってどういうものなの? ちゃんと違いが分かるようになりたい! Noritoism ベヒシュタインは「ピアノのストラディバリウス」と […]
やっぱりそれぞれに魅力が詰まっていますよね。
ここでご紹介できなかったたくさんのピアノメーカーにも、きっとそれぞれの歴史があります。
そういうバックボーンに触れると、ロマンがあります。
紡がれた歴史にピアニストとして触れられることを、誇らしく思えるし、背筋が伸びる思いです。
ピアノの歴史まとめ
おさらいです。
◆ ピアノの歴史
◆ 世界三大ピアノについて
- ピアノは元々弦楽器。大元は11世紀から
- クリストフォリが開発してから、約300年強の歴史がある
- スタインウェイは家族で、ベーゼンドルファーはハンドメイド、ベヒシュタインは品質で
普段何気なく弾いているピアノですが、こうして歴史に触れてみるとまた愛着が湧くというものです。
今日は普段しないお手入れとかしちゃったりして、一段と丁寧にピアノと接してみてはいかがでしょうか。
第3話、その他のピアノ演奏に必要な知識はこちらです。
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