ピアノコードの実践的な使い方【トニック・サブドミナント・ドミナント】

悩んでる人
ピアノのコードは覚えたんだけど、
実際にどうやって使ったらいいの?
Noritoism
簡単なルールを覚えてしまえば、
あとは組み合わせだよ。
◆ 平行調と同主調
◆ トニック・サブドミナント・ドミナント
◆ 実践的な使い方

 

この記事を書いた人曲を理解する上で、トニック・サブドミナント・ドミナントの知識は欠かせません。

演奏の時には曲の展開を先回りしたり、作曲やアレンジの時には効率が全く変わったりします。

本記事ではトニック・サブドミナント・ドミナントの基本と、それに並行して必要な知識をご紹介します。

より深く音楽を理解するために、是非ご活用ください。

平行調と同主調

ノートこの記事の主題である「トニック・サブドミナント・ドミナント」をお話しする前に覚えておいてほしい、とても大切な内容です。

平行調
メジャーキーの3度下(6度上)のマイナー
マイナーキーの3度上(6度下)のメジャー
例: Cの平行調は、ド、シ、ラと3度下がったのマイナー、Am。
同主調
ルートと同じキー音のメジャー、マイナー

例:Cの同主調は、がキー音、なのでのマイナー、Cm。

ト音記号

こんな感じで、ト音記号やヘ音記号の横に♯や♭があるのを見たことはありませんか?

これがキーを表しています。

平行調は、音階表記の際シャープやフラットの数が全く同じです。

♯の数は、キーが5度上に進むごとに1つずつ増えていきます。
♭の数は、キーが5度下に進むごとに1つずつ増えていきます。

音楽家の渡辺絢也さんが作成された五度圏表が非常に分かりやすいので、ご紹介します。

表が載っている記事はこちらです。めちゃくちゃ丁寧な解説でわかりやすいです。

五度圏表

青い丸で分けられたメジャーとマイナーのペア同士が、平行調です。例:CとAm

下記がそれぞれ、平行調のペアです。

♯の数

  • 0 C, Am
  • 1 G, Em
  • 2 D, Bm
  • 3 A, F#m
  • 4 E, C#m
  • 5 B, G#m
  • 6 F#, D#m

♭の数

  • 0 C, Am
  • 1 F, Dm
  • 2 B♭, Gm
  • 3 E♭, Cm
  • 4 A♭, Fm
  • 5 D♭, B♭m
  • 6 G♭, E♭m

何と何が仲間なのかを知っておくと、この後の理解がとても早くなります。

それでは本題に入っていきます。

トニック・サブドミナント・ドミナント

お勉強まずはこの譜面をご覧ください。

カデンツ

キー=Cとした場合、トニック・サブドミナント・ドミナント(以下:T SD D)はこのように表記されます。

左から、1度(ルート), 2度, 3度, 4度, 5度, 6度, 7度T, SD, T, SD, D, T, Dです。

どのキーであろうと、下記のルールが適用されます。

ニュアンス

  • トニック=安定
  • サブドミナント=このままじゃいられない
  • ドミナント=超不安定

度数(1 2 3 4 5 6 7:T SD T SD D T D)

  • トニック=1, 3, 6
  • サブドミナント=2, 4
  • ドミナント=5, 7

トニックには、キーのルートが含まれまして、ルートはその曲の大元。根っこ。大黒柱のことです。

同じトニックである3度と6度は、ルートとほぼ同じような性質を持ち、6度は平行調です。平行調はトニックとして使えるんです。

同主調はメジャー⇄マイナーにしたい時使えるんです。

実践的な使い方

楽譜次に、具体的に組み合わせの話に入っていきます。

キーワードは「不安定は安定したがる」です。

トニック・サブドミナント・ドミナントのニュアンスをもう一度振り返ってみましょう。

  • トニック=安定
  • サブドミナント=このままじゃいられない
  • ドミナント=超不安定

トニックはそのままでも安定し、サブドミナントはトニックかドミナントに動きたくなり、ドミナントはどうしてもトニックに還りたがります。

これが、「不安定は安定したがる」です。

さて、こちらはカデンツの基本的な形です。キーはCです。

Cのカデンツ

1度, 4度, 5度7, 1度(C F G7 C)です。

最初の数字に注目してください。

1, 4, 5, 1です。T, SD, D, Tです。

SDの後にSDは来ません!DはTに還りたがります!
  • SDの後にSDは来ない
  • Dの後はT

これでトニック、サブドミナント、ドミナントを組み合わせると、

今適当に書いただけでこんなにコード進行が出来上がります。

  • T D T T
  • T T D T
  • T T T D
  • T SD T T
  • T T SD T
  • T T T SD
  • D T T T
  • D T SD T
  • D T SD D
  • SD T D T
  • SD D T T
  • SD D T SD
  • SD D T D etc….

T、SD、Dそれぞれ複数あり、Tは1, 3, 6。SDは2, 4。Dは5,7でして、更に平行調と同主調もありますよね。

最初に挙げたT, SD, D, Tだけでも、計算すると2,916通りもあります。

内訳:T3種✖️ルート、平行調、同主調(以下ル)3種✖️SD2種✖️ル3種✖️D2種✖️ル3種✖️T3種✖️ル3種

=3の6乗✖️2の2乗

=729✖️4 =2,916

ここにメロディ、テンポ、拍、ルート12種…たかだか1種類のパターンで、何通りできてしまうでしょう。

それだけ自由で素晴らしいことなのですが、だからこそ闇雲に取り掛かるよりも、ここでしっかり基本をしっかり身につけましょう。

SDばかり続いたり、Dの後Tが来なかったりと、例外もあります。
まず基本を身につけることで、コードの使い方がわかってきます。
慣れてきたら是非、思いっきり型破りしちゃいましょう!

コードの実践的な使い方まとめ

おさらいです。

◆ 平行調と同主調
◆ トニック・サブドミナント・ドミナント
◆ 実践的な使い方
  • 平行調と同主調というものがある
  • 度数はトニック=1, 3, 6
  • サブドミナント=2, 4
  • ドミナント=5, 7
  • T, SD, Dそれぞれのニュアンスがあり、SDの後はSD以外、Dの後はT
  • 更に平行調と同主調を組み込むと、組み合わせは無限大

トニック・サブドミナント・ドミナントの組み合わせで、 コードは曲に変わります。

その上で、何度を使うのか。平行調と同主調を使うのか。

さあ、早速手元の楽器を鳴らしてみてください。バンドスコアが手元にある方は、コードを見てみてください。

きっと、昨日とは違った世界が広がっているはずです。

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