スタインウェイってどういうものなの?
ちゃんと違いが分かるようになりたい!
現代のコンサートグランドピアノの原型とも言われているよ。
特徴がはっきりしていて、他ふたつとの違いも分かりやすいよ!
◆ スタインウェイの歴史
スタインウェイは、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインと並び「世界三大ピアノ」のひとつと言われています。
ですが、その特徴や違いをパッと表現できないな…という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、スタインウェイの特徴を要点にまとめ、わかりやすく解説します。
ピアノに関わる方で、この名前を知らない方はほとんどいないのではないでしょうか。
この記事を読み終える頃には、改めてどんなピアノかを深く知り、あなたなりの解釈を深めてもらえることでしょう。
代表的なピアノ
スタインウェイの特徴
飽くなき探究心、それこそがスタインウェイの魅力たらしめるものです。
スタインウェイは完成初期の「最上のコンサートピアノ」と表現されていたことに決して満足することなく、
改良に改良を重ね、多数の特許を取得しています。
スタインウェイを表現する4つの概要と、魅力を突き詰める6つの詳細な魅力とで、それぞれ分けて解説していきます。
スタインウェイの概要
もう少しかいつまんでお伝えすると、以下の4つです。
- 強固な構造を持つ
- 楽器全体がよく響く
- 高音域は繊細でクリア、かつ豊かで伸びがいい
- 低音・中音域はフォルテッシモ(最大音)とピアニッシモ(最小音)の幅が豊か
音域の補足です。
それぞれメリハリの効いた豊かな音色を持っていて、かつ音量の幅が大きい。
「ダイナミックレンジが広い」とも表現されるのですが、
そのおかげで、ピアニストが表現したいであろういかなる音色にも対応することができます。
スタインウェイの詳細な魅力
6つに分けて解説します。
- 特許量
- リム
- アクションの形状
- ネジやクギを使わない
- サウンドベル
- アイアンフレーム
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
1. 特許量
創業初期には、ほぼ完成形とも言われているコンサートピアノを作り上げているスタインウェイ。
それに満足することなく、現代に至るまで次々に改良を重ね、特許を取得し続けています。
そのあくなき探究心そのものが、スタインウェイの大きな魅力と言えるでしょう。
2. リム
グランドピアノの外側を囲むパーツのことを指します。
ピアノの見た目といえば、あの美しい曲線が特徴ですよね。
リムの美しい曲線は、15枚から18枚の薄い板を貼り合わせた1枚の合板から作られているのですが、
その合板を一挙にグランドピアノの形に整形するという技法は、実はスタインウェイが開発したものなのです。
3. アクションの形状
アクションとは、指から伝わる力がピアノ弦を叩くまでの過程に含まれるパーツの全てだと思ってください。
他の会社のものと比べると、細身に作られていることが特徴です。
タッチが軽くなり、鍵盤を叩く力が直接ハンマーに伝わりやすい構造になっています。
ダイナミックレンジの広さもそうですが、こちらもピアニストの表現したいことを表現しやすい特徴です。
4. ネジやクギを使わない
圧倒的にクリアな音を鳴らすスタインウェイ。
木の板がピアノのボディを形作っている以上、金属のネジやクギは、少々大げさかもしれませんが異質な存在です。
更に、ピンブロックと呼ばれる部分が周りに触れない設計になっています。
振動を妨げるものが極力少ない形状のため、圧倒的にクリアな音を鳴らすことができるのです。
5. サウンドベル
高音部リムの湾曲部分にあるベル型のパーツです。
サウンドベルがあることによって、高音部の振動をリムに伝え、金属的な響きを演出しています。
6. アイアンフレーム
鋳鉄の堅固な鉄骨フレームは響板に触れることなく、ピアノ内部に響鳴する大きな空間を生み出しました。
強固なフレームは約20トンもの弦の張力に耐え、ピアノの寿命を飛躍的に高めることに貢献しています。
スタインウェイの歴史
1853年、ドイツ人の移民ヘンリー・エンゲルハート・スタインウェイによって設立されました。
あまりに完璧なそのピアノは、かのセルゲイ・ラフマニノフをしてこのように言わしめています。
ここからは、スタインウェイの歴史を語る上で欠かせない「交差弦」について詳しく触れていきます。
交差弦
交差弦の特徴
それまで平行に張られていた弦を斜めに交差して配置することで、低音の駒の位置を限りなくリムに近づけることができ、
より良い低音の響きを得られると同時に、低音・中音弦も長くなるため、より良い音色とより豊かな響きを得ることが可能となりました。
現在ではスタインウェイだけでなく。様々なメーカーでこの交差弦を採用しています。
交差弦の歴史
1855年
スクエアピアノの交差弦を生み出す。飛ぶように売れ、グランドピアノ製作にも着手
1859年
グランドピアノで鉄骨・交差弦の特許を取得
1862年
ロンドン博覧会で金賞受賞
1867年
パリ万国博覧会で金賞を受賞、ヨーロッパでも大きな評価を受ける
長男のテオドールが、現在ある127の特許のうち半分を取得、世界最高のピアノと謳われるようになりました。
現在
なんとピアノ市場の8割を占めるというのが現状です。
音もさることながら、シェアはぶっちぎりのNo.1なのです。
また、多くの音大で入試に採用されています。
コンサートグランドピアノとしてだけではなく、若いうちから触れる機会も多いということで、必然的に愛されるブランドとなっているのですね。
スタインウェイまとめ
おさらいです。
◆ スタインウェイの歴史
- 昔から現在に至るまで一貫して「最上のコンサートピアノ」
- 丈夫かつ響きがとにかく素晴らしい
- 特許が非常に多く、慢心しない飽くなき探究心
- 交差弦の元祖
- 世界最大のシェアをほこり、音大入試にも採用されている
スタインウェイのお話でした。
これで他の世界三大ピアノである、ベーゼンドルファーやベヒシュタインとの違いもバッチリですね。
コンサート会場で触れるだけでも、何か特別な気持ちにさせてくれるピアノ。
ピアニストなら一度は思いっきり演奏してみたいですよね。
もう一度、スタインウェイの代表的なピアノを置いておきます。
その他の世界三大ピアノ
悩んでる人 世界三大ピアノのひとつって言われている、 ベーゼンドルファーってどういうものなの? ちゃんと違いが分かるようになりたい! Noritoism ベーゼンドルファーといえば「ウィンナートーン」 […]
悩んでる人 世界三大ピアノのひとつって言われている、 ベヒシュタインってどういうものなの? ちゃんと違いが分かるようになりたい! Noritoism ベヒシュタインは「ピアノのストラディバリウス」と […]